● FT-100(YAESU)  FT-100 FT-100M FT-100S  
 FT100、コンパクトなボデーにも関わらずHF帯(1.9MHz)〜UHF帯(430MHz)帯までカバー、末尾の記号で100Wから20Wの機種ですが、Dの場合は少し異なっているようです。見分け方は、スピーカーが本体より少し突起しており、性能はあまり変わらないようです。
 チャレンジ精神を持ちスキル向上のため不具合のFT-100を購入し修理に挑戦。これまでのFT-101とは異なり悪戦苦闘となるか或はジャンク入りになるか、使用できるか、腕次第となるでしょうか。FET,TR、チップ抵抗、チップコンデンサーで手探りの修理となるでしょう。
    納入先からのコメント
●受信は問題ない
●送信の不具合
HF-50Mhz 出力 1W、
144Mhz 50W
430Mhz 7W (FM)
HF帯送信時電源電流2-3A
 
 拡大鏡で確認基盤に隙間が見えた、拡大鏡でも老眼鏡を外してもよく見えない。限界か?パソコンにファイバー機能でミリ単位で拡大、経年劣化でしょうか、半田やせを発見、半田を施し終了。
 HF帯の出力が出ないファイナルを最初に疑った。このFETは、もろに電源が直接接続されている。端子をデジボルトで確認、電圧はある。他の端子を測ると、あってはならない電圧がかかっていた。通常3V前後の電源電圧である。     
● 故障の状況判断
 半田やせは、経年劣化で発生したもの。金属疲労と同じである。修理の第一歩は、現状把握、隅々まで確認し、焦げた部分、膨れた部分、亀裂、剥離はないか確認すること。      
● UHF帯の出力低下      
 半田やせを修復、ダミーロードで出力計測した結果SWRが高値を示した。SWRが高いと出力損失が大きいのでパワーも出ない。UHF帯の基盤を目視で確認したが変色等の異常はなかった。次に、内部の同軸ケーブルを順次外し確認していくと異様に柔らかいケーブルがあった。断線か?、接点不良等を調整しパワーだし、購入者のコメントでは7Wであったが、定格の出力を認めた。  
● HF帯の送信不能  
 MOSFETMRF255の交換は、相当の半田が盛られているので、ソルキューで大まかな半田を取り除き、その後半田吸取線で行った。半田ごては、60Wを使用し、FETを2個取り外しました。その後、取り付け完成。すべての作業終了、配線誤り、半田のかすの除去後、カバーを取り付け、電源オン。ダミーロードに取り付け試験電波発射、各バンドも100Wの出力を確認した。完全にMOSFETは不良であった。
  交換前のMRF255   放熱シリコンの塗り   取り換え後のMRF255